今週の風の詩
第4032号 人気者(2026.5.24)
人気者
太田ユミ子(ペンネーム)
先日、夫と近所のお蕎麦屋さん行ったときのこと。家族でやっている、安くて美味しいお蕎麦屋さんだ。日曜日のお昼時で満席だった。注文して十五分待っても、お蕎麦が出てこない。せっかちな私は店員さんに「まだですか?」と聞こうとしたら、
「注文したい」
「お水ください」
「テーブル拭いてください」
お客さんが一人の店員さんに次々に声をかけた。店員さんがパニックになったその時だった。私たちの隣のテーブルに座っていた年配の女性3人が大きな声で、
「あっちこっちから呼ばれて人気者やね!」
「売れっ子さんやね。うらやましい」
「待ち時間が長かったら、美味しさ二割り増しやね」
一番文句を言いそうなおばちゃんたちのナイスホローに、私は思わず笑ってしまった。お客さんからも笑い声が上がった。3人の言葉でお店の空気が和み、店員さんも笑顔になった。私は黙って待つことにした。五分後に運ばれてきたオカメ蕎麦は、なんだかいつもより美味しい気がした。
「注文したい」
「お水ください」
「テーブル拭いてください」
お客さんが一人の店員さんに次々に声をかけた。店員さんがパニックになったその時だった。私たちの隣のテーブルに座っていた年配の女性3人が大きな声で、
「あっちこっちから呼ばれて人気者やね!」
「売れっ子さんやね。うらやましい」
「待ち時間が長かったら、美味しさ二割り増しやね」
一番文句を言いそうなおばちゃんたちのナイスホローに、私は思わず笑ってしまった。お客さんからも笑い声が上がった。3人の言葉でお店の空気が和み、店員さんも笑顔になった。私は黙って待つことにした。五分後に運ばれてきたオカメ蕎麦は、なんだかいつもより美味しい気がした。




